Blog記事一覧 > > 衝突がないのに交通事故?知っておきたい“非接触の交通事故”の話
衝突がないのに交通事故?知っておきたい“非接触の交通事故”の話
衝突がないのに交通事故?知っておきたい“非接触の交通事故”の話
交通事故は「車と車がぶつかった」「歩行者に接触した」といった“衝突”だけではありません。実は、接触していなくても交通事故と判断される隠れ交通事故が多く発生しています。
接触していないからで、自分自身の健康保険であとから治療に来られる方も多くいらっしゃることもあり、「ぶつかってないのに交通事故!?」というちょっと不思議だけど実際に起こり得るケース、【非接触事故(誘因事故)】についてお話しします。
非接触なのに交通事故?こんなケースにご注意!
ケース①
無理な割り込みにびっくり → 縁石に乗り上げた!
例えば、隣の車が急に車線変更!ぶつかりそうになって思わずハンドルを切ったら、縁石に乗り上げてタイヤをパンク…。
これは、割り込んできた車が原因の「交通事故」になる可能性大です。
ケース②
すり抜けバイクに驚いて転倒!
狭い道で後方から猛スピードでバイクがすり抜けてきた。その音と勢いに驚いて、転倒…。
接触はなくても、バイクの無理な運転が「事故の原因」と認められることがあります。
ケース③
飛び出してきた子どもを避けて急ブレーキ!
横断歩道の手前で、子どもが急に飛び出し!急ブレーキをかけたら後ろの車に追突された…。
飛び出しが原因の事故とされ、場合によっては、歩行者側の責任発生、過失割合が大きく左右します。
非接触事故にあったときの対応ポイント
- 警察を必ず呼ぼう
たとえぶつかっていなくても「事故」です。
事故証明がなければ保険が使えないことが多いので、必ず通報しましょう。
- 相手の情報を記録する
相手車両のナンバー、色、車種などをメモ。可能であればスマホで写真や動画を。
ドライブレコーダーの映像は大きな証拠になります!
- 目撃者がいれば証言をもらう
「その車が急に割り込んだ」など、第三者の証言は強い証拠になります。
- 保険会社にも早めに相談
事故の状況を正確に伝えて、今後の対応や補償の可能性を確認しましょう。
- 体調に異変がなくても病院へ
その場では大丈夫でも、数日後に痛みが出ることも。医療機関での記録が後々大事になります。必ず病院診察は受けましょう。
非接触事故を防ぐ&備えるためのアドバイス
1.安全運転+“予測運転”を意識しよう
前方だけでなく周囲の車の動きを常にチェック
「急に飛び出すかも」「この車、割り込んできそう」など、少し先を読む意識が大切!
2.ドライブレコーダーは必須アイテム
非接触事故は「言った・言わない」になりやすいため、録画はとても重要です。
前後カメラタイプだと安心感倍増です!
3.焦らず、冷静に対応を
パニックになると証拠を取り逃がしたり、相手が立ち去ってしまうことも。
まずは深呼吸して、警察への通報・状況の記録・事故関連該当者の保全を優先しましょう。
非接触の交通事故で泣き寝入りをしないまとめ
衝突していなくても「他人の運転や行動」が原因で事故になった場合、立派な交通事故として扱われます。
そんなときこそ、冷静に「警察・保険・記録」の3つを押さえて、しっかり対応が大切です。
事故は突然やってきます。でも、知識と備えがあるだけで結果が大きく変わります。
治療について
衝突がない非接触事故であっても、状況によっては 自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)で補償を受けられる可能性があります。
ただし、いくつかの重要な条件をクリアする必要があります。
自賠責保険の基本をおさらい
対象:人身事故のみ(物損事故には使えません)
被害者救済を目的とした「最低限の補償」を行う保険
上限:傷害120万円、後遺障害75〜4,000万円、死亡3,000万円(※症状や程度による)
非接触事故で自賠責が使えるのはこんな場合
1.ポイントは「事故の加害車両が特定できること」
相手が逃げた、証拠がなくて「どの車が原因か分からない」となると、加害車両が存在しない=自賠責の対象外になることも。
例)たとえばこんなケースは対象になりうる可能性があります
1.相手車両にぶつかっていないが、急な割り込みが原因で自分が転倒・けが
2.相手の車の無謀な運転で避けようとして事故を起こし負傷した
3.バイクにすり抜けされて、驚いて自転車・人が転倒してけがをした
・相手車両のナンバーが分かっている
・ 警察が「その車が事故の原因」と認定する
・ 事故証明が取れている
自賠責で被害者救済の対象となることが多いです。
NG)補償が難しいのはこんなとき
・相手車両が誰か分からず、加害者特定ができない
・警察を呼んでおらず、事故証明がない
・自損事故とされてしまい、他者に責任が認定されない
・物損だけ(ケガが一切ない)
アドバイスポイント
自賠責保険の適用を受けるために大事なこと
1.必ず警察に連絡して事故証明を取る→ 自賠責では事故証明が必要不可欠!
2.相手の車両情報をできるだけ正確に控える→ ナンバー・特徴・ドライブレコーダーの映像が鍵
3.病院を受診して診断書を取る→ 自賠責では「けがの診断書」がないと補償が受けられません。
4.早めに保険会社に相談する→ 自分が加入している任意保険会社にも相談すれば、示談や請求のサポートを受けられることがあります。
非接触の交通事故のまとめ
衝突がない交通事故でも、他人の運転が原因でけがをした場合は、上記のように条件を満たせば自賠責保険の補償対象になる可能性があります。
そのためにも、事故後は落ち着いて「警察・記録・受診」をセットで対応しましょう。
見逃されがちな非接触事故こそ、しっかりと証拠を残すことが大切です。
※参考 【自賠責保険使用方法】
自賠責保険の請求方法と必要書類ガイド【非接触事故でけがをした場合に使えます!】
自賠責保険の請求方法は2種類
① 被害者請求(直接請求)
→ 被害者自身が加害者の自賠責保険会社に直接請求する方法。
相手の任意保険が使えない、または連絡が取れないときに使います。
② 加害者請求(任意保険経由)
→ 加害者側の任意保険会社が自賠責分を立て替えて支払ってくれる方法。
多くのケースではこちらの方がスムーズ。
非接触事故では「被害者請求」になることが多い
非接触事故では加害者が事故に気づいていなかったり、立ち去ってしまうこともあるため、被害者が直接請求するケースが多いです。
必要書類一覧(被害者請求の場合)
警察で申請(自動車安全運転センター)。「人身事故扱い」であることが必要。
自賠責保険請求書類※保険会社からもらえます
- 交通事故証明書
- 医師の診断書・診療報酬明細書
- 領収書(治療費・通院交通費など)
- 事故発生状況報告書
- 相手車両の自賠責保険証明書のコピー
- 委任状(代理人が請求する場合)
自賠責保険の請求手順(被害者請求)のポイント
1.警察に連絡して「人身事故」扱いにしてもらう
2.病院で診断を受ける(診断書を取得)
3.加害者の自賠責保険会社を特定する
4.保険会社に連絡し、請求書類一式をもらう
5.必要書類をすべて準備・記入
6.保険会社へ提出(不備がなければ1〜2ヶ月で振込)
ワンポイントアドバイス
事故証明は絶対に必要です!軽いけがでも人身事故として警察に届け出してください。
被害者請求は手間がかかるため、可能なら相手の任意保険会社に交渉・弁護士に依頼した方が楽な場合もあります。
どこに相談すればよいかわからない場合
・加害者の自賠責保険会社
・自分の任意保険会社
・交通事故相談センター(無料)
・当院(治療時に弁護士無料相談も同時に受付可)
非接触事故でお困りの方は、お気軽にご相談ください